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仕事をしていて、よその会社などに電話した時に、話したい相手を呼び出してもらうことってよくありますよね。
「○○さんはいますか?」と丁寧に尋ねたい場合、「○○さんはおられますか」と言う人も多いと思います。
ですが、実はこの「おられますか」は間違いではないかと言われているんです。
よく使われる表現だけに気になりますね。
ぜひ正しい聞き方を知っておきましょう。
今回は、電話で「おられますか」は間違い?「いらっしゃいますか」は?についてご説明いたします!
「おられる」の意味
「おられる」は「おる(居る)」に尊敬の助動詞「れる」が付いた形です。
「おる」は、「いる」の古風な、または丁寧な言い方になります。
つまり、「おられる」というのは相手が(そこに)いる、ということを敬語にしたものということになりますね。
【例文】
- ○○さんがそのアイディアに興味を持っておられる。
- 社長がそうおっしゃっておられた。
- 部長が心配しておられたよ。
電話で「おられますか」は間違い?
「おられる」を使って、「おられますか」と言うことがあります。
例えば電話で相手の会社にかけて、○○さんにかわって欲しい時に「○○さんはおられますか?」と言うのが一般的な使い方ですね。
ですが、この「おられますか」は、間違いではないかと言われています。
平成16年度の、文化庁による「国語に関する世論調査」では、「○○さんはおられますか」について、正しいと答えた人が58.3パーセント、正しくないと答えた人が30.3パーセントでした。
30パーセント以上の人が「おられますか」は間違いであると感じているのですね。
この「おられますか」には、色々な意見があり、間違いとは言えませんが、違和感を持つ人も多いので、なるべく使わない方がよい言葉であるといえるでしょう。
「おられますか」を使わない方が良い理由
電話での「おられますか」は間違った使い方だと考える人も多いので、使わない方がよい言葉です。
なぜ「おられますか」と言わない方がいいかというと、「おられますか」には解釈がふた通りあるからです。
それぞれ、「おられますか」は
- 謙譲語の「おる」+尊敬語の「れる」である
- 「いる」のあらたまった形の「おる」+尊敬語の「れる」である
というものです。
謙譲語の「おる」であると解釈した場合、相手が「おる」というのは失礼になりますし、謙譲語に尊敬語をつけているのもおかしいということになりますよね。
ですが、「おる」は「いる」のあらたまった、もしくは古風な言い方であるととらえると、そこに尊敬語をつけてもおかしくないということになります。
また、とくに西日本では「いる」の代わりに「おる」を使うこともよくありますので、「おる」が特に敬語ではない普通の言葉だととらえて、そこに尊敬語の「れる」をつけているとすると、これも間違いではないということになります。
まとめると、
- 「おられますか」は「おる」(「いる」のあらたまった形)に尊敬語「れる」をつけたものなので、間違いではない。
- 関西では「おる」は敬語ではなく普通の言葉(「いる」の代わり)なので、尊敬語「れる」をつけても間違いではない。
- しかし、関東を中心に「おる」を謙譲語ととらえる人も多い。
- 「おられますか」には違和感を感じる人も多いので使わない方がいい表現である。
ということになります。
「いらっしゃいますか」は?
「おられますか」と同じように使われるのが「いらっしゃいますか」です。
「○○さんはいらっしゃいますか?」と電話でよく言いますよね。
この「いらっしゃいますか」は、これも正しい表現です。
「いらっしゃる」は「いる」や「ある」「来る」「行く」の尊敬語です。
それに丁寧な「ます」がついているので、「いらっしゃいますか」は相手への敬意を表しながら尋ねるのに適した言葉遣いです。
こちらの方は「おられますか」のように違和感を感じる人もほとんどないでしょうから、電話で使うなら「いらっしゃいますか」が無難でしょう。
また、その人が「いる」かどうか聞くだけでなく、「ある」「来る」「行く」という意味でも使えますね。
【例文】
- ○○様はいらっしゃいますか?ーーはい、おります。少々お待ちくださいませ。
- ○○部長はいらっしゃいますか?
- 営業部の○○さんはいらっしゃいますか?
- 恐れ入りますが、○○さまでいらっしゃいますか?
- 明日は何時頃いらっしゃいますか?
なお、「○○さんはいらっしゃいますか?」と言われた場合の返事には、「いらっしゃいます」ではなく「おります」を使います。
これは身内のことを言うので、尊敬語の「いらっしゃる」ではなく謙譲語としての「おる」を使うということです。
まとめ
「おられますか」は言いやすいので、いつも使っているという人も多いかもしれませんね。
ですが、解釈の仕方によっては誤用であると捉えられることも多い表現です。
間違いとは言えませんが、なるべく「いらっしゃいますか」などに言い換えた方がよいでしょう。
電話でこのような会話をすることも多いでしょうから、ぜひ覚えておきたいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!