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「殊勝な態度だ」「殊勝ぶる」「殊勝な面持ち」
このように使う「殊勝」という言葉、聞いたことがありますか?
やや難しい言葉ですから、若い人はあまり使わないかもしれませんね。
ビジネスシーンでも出てくることがある言葉ですから、この機会に確認しておきましょう。
今回は、「殊勝」の意味と使い方!「殊勝な態度」とは?目上の人に使うのはNG?についてご説明いたします!
「殊勝」の意味
「殊勝」は「心がけ・行いなどがけなげで感心なこと」という意味です。
「しゅしょう」と読みます。
ほかにも
- とりわけすぐれているさま
- 神々しいさま。心打たれるさま
といった意味もありますが、いずれも他よりもすぐれている様子という点では共通していますね。
ビジネスシーンや普段の生活の中で、一番広く使われる意味は最初に述べた「心がけ・行いなどがけなげで感心なこと」というものでしょう。
いずれにせよ、「殊勝」という漢字からはちょっと意味が想像しにくいのではないでしょうか。
「殊勝」の「殊」という字は、「殺す。普通とは異なる」という意味があります。
もともと「殊」は真っ二つに斬り殺すという、ちょっと怖い意味の漢字です。
それが「違うものになる」というような意味で使われるようになり、「特別な」といういい意味でも使われるようになりました。
「勝」の方は「勝つ。まさる」などといった意味の漢字です。
この「殊」と「勝」で「殊勝」は「人と異なり、勝る」という意味になるわけです。
すなわち、「この人は普通の人とは違ってすぐれているなあ、感心だなあ」という時に「殊勝」を使うということです。
褒め言葉として使うようないい意味の言葉ですね。
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「殊勝」の使い方
「殊勝」はすぐれていること、けなげで感心なことという意味で使います。
皮肉として使うこともあるでしょうが、基本的にはいい意味の言葉です。
- 「殊勝な態度」
- 「殊勝な心がけ」
- 「殊勝な人」
などとして使い、「殊勝な」という使い方が多いでしょう。
例文で確認しておきましょう。
【例文】
- 親に心配をかけまいと我慢する、殊勝な子供。
- 彼は珍しく殊勝なことを言った。
- 彼女は殊勝らしい様子でかしこまっていた。(殊勝らしい=いかにも健気である。もっともらしい様子である)
- 彼は彼女の話を殊勝顔で聞いていた。(殊勝顔=殊勝な顔つき。神妙な表情)
- それは殊勝な心がけだな。
「殊勝な態度」とは?
「殊勝」はよく「殊勝な態度」という使い方をします。
「殊勝な態度」は「けなげで感心な態度」ということになりますね。
具体的にどのような態度が「殊勝な態度」なのでしょうか。
「殊勝」ということは、他よりもすぐれているということではありますが、「私が一番すぐれているぞ!」というような自信たっぷりの態度はもちろん「殊勝な態度」ではありませんね。
周りの人が「殊勝だな」と感じるような態度ということですから、
- 控えめ
- 真面目
- 素直
といった意味になるでしょう。
「殊勝な態度」とは謙虚で真面目な態度であると解釈してよいでしょう。
【例文】
- 彼のインタビューは殊勝な態度に終始した。
- あの人は仕事では殊勝な態度を見せるものの、プライベートではわがままである。
- 彼女はいつになく殊勝な態度で話を聞いていた。
「殊勝」を目上の人に使うのはNG?
さて、「殊勝」はすぐれている、健気であるといういい意味の言葉ですよね。
ですが、「殊勝」は目上の人に使うと失礼になります。
「殊勝」は周りから見て感心されるような態度や行動ということです。
感心ということで、尊敬の気持ちを表していると思って「殊勝ですね!」などと使ってしまいがちな言葉です。
ですが、「殊勝だ」ということは、「感心だ」「偉いね」などと褒めたり評価したりすることになります。
これはいわゆる「上から目線」の言い方に聞こえますし、目上の人には失礼ですよね。
「殊勝」は基本的には目下の人に対して使うようにしましょう。
「殊勝」の類義語
「殊勝」の類義語には次のようなものがあります。
- 神妙(いつもとは変わっておとなしくかしこまった様子)
- 感心(褒められるべきさま)
- 健気(心がけや態度がしっかりしているさま。特に幼く力の弱い者が困難な状況で立派に振る舞うさま)
また、「殊勝な」の言い換えとしては
- しおらしい(おとなしく従順である。慎み深くいじらしい)
- いじらしい(弱い者が一所懸命につとめる有様や心がけがいたいたしくあわれで、心打たれる感じである)
などがあります。
まとめ
「殊勝」は態度や行いが健気で感心であることを指す言葉でしたね。
目上の人には使えないので使う相手や場面には注意が必要ですが、いい意味の言葉ですのできちんと使うことでビジネスシーンでも活用できるでしょう。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!