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最近、テレビなどで「忖度」という言葉をよく目にすると思います。
これまで、「忖度」の読み方、またどういう意味なのかを、自信をもって言える!という人は少なかったのではないでしょうか?
また、「忖度」と似た言葉で、「斟酌」と言う言葉があります。
これも、難しい漢字で、意味どころか、読み方もよく分からないですよね!
しかし、昨今話題になっている言葉ですから、しっかりと意味や使い方を知っておきたいですね。
今回は、「忖度」と「斟酌」の意味や違いは?使い方と政治的な意味についてご説明致します!
「忖度」と「斟酌」の意味と違い
「忖度」
「忖度」は「そんたく」と読みます。
「忖」「度」の両方とも「はかる」「推量する」という意味があります。
元は、「はかる」「推量する」という意味しかなかったものが、だんだんと変化して「他人の心をおしはかること。」という意味にまで姿を変えていったようです。
>>「推し量る」の意味と使い方!「推し測る」との違いはある?|類義語・例文
「斟酌」
「斟酌」は、「しんしゃく」と読みます。
これには、
- 「相手の事情や心情をくみとること。また、くみとって手加減すること。」
- 「あれこれ照らし合わせて取捨すること。」
- 「言動を控えめにすること。遠慮すること。」
などの意味があります。
「斟酌」の「斟」と「酌」という漢字は、分量を量りながら汲むという意味です。
このことから、次第に「相手の気持ちを推し量る」という意味になりました。
「忖度」も「斟酌」も、意味がとてもよく似ていますよね。
忖度と斟酌の違い
「忖度」と「斟酌」で少し違うのが
「忖度」が「相手の気持ちを推し量る」事であるのに対し、
「斟酌」は「相手の気持ちを推し量った上で、具体的な行動に移す」という意味があると言う点です。
実際、テレビなどでは「忖度」も「斟酌」の意味のように使われていますが、本来の意味は違います。
しかし、「忖度」という言葉も、知られるようになったきっかけで、意味のとらえ方も変化していくのかもしれませんね。
「斟酌」と似た言葉で、「酌量(しゃくりょう)」があります。
よく、裁判の判決で「情状酌量の余地がある」というのを耳にしたことがあると思います。
「酌量」は「事情を汲み取って、処罰・処置などに手心を加えること」という意味です。
「斟酌」と意味が似ていますが、より事情を汲み取って、「同情のある扱いをすること」という意味合いが強いようです。
混同しないように気を付けましょう。
【例文】
- 上司の気持ちを忖度した結果、事が上手く進んだ。
- 取引先の意向を忖度して、提案する商品を変えてみた。
- A新聞社は、読者の考えを忖度した記事を書いている。
- 事情を斟酌した結果、計画を中止することとなった。
- 裁判官が事情を斟酌して、見事な判決を下した。
- 市場の状況を斟酌して、株の売買を決める。
【類語】
- 推量
- 推察
- 慮る
- 汲み取る
「忖度」と「斟酌」の使い方と政治的な意味
「忖度」や「斟酌」は、日常会話の中ではあまり聞かれません。
しかし、これらの言葉が良く使われれる場所があります。
それは政治の現場です。
「忖度」とは、「相手の気持ちを推し量る」という意味だと紹介しました。
では、何故この「忖度」が政治の現場で、多用されているのでしょうか?
日本では、昔から「本音」と「建前」の文化がありました。
島国の為、皆仲良く暮らすために「本音」を隠して、人前では「建前」を言うという事がよくありました。
今でいう「空気を読む」という事にも繋がりますね。
でも、やはり人間は「建前」だけでは生きていけません。
特に政治家は、有権者を前に、実現可能か分からない「建前」を語ります。
しかし、実際に動く官僚や役人はその「建前」の裏にある「本音」を「忖度」して、現実の物にしていかなければいけません。
それが良い方向に向かえば良いのですが、昨今、紙面を賑わせている「忖度」は、残念ながら悪い方向に「忖度」が行われた結果のようです。
>>「慮る」の意味と使い方!「忖度」との違いは?【類義語・例文】
まとめ
いかがでしたか?
今まで「忖度」「斟酌」という言葉はあまり聞いたことが無かった、という人も多いと思います。
しかし、その意味を知ると「なるほどな」と思いますよね。
日本ならではの「空気を読む」という文化を元に、改めて現代風に解釈し直されたのが、この「忖度」と「斟酌」かもしれません。
人の気持ちを考える事は、とても大切な事です。
しかし、あまりにも「忖度」や「斟酌」ばかりしていると、責任の所在が不明瞭になってしまいますよね。
難しい問題ではありますが、上手く「忖度」と「斟酌」と付き合っていけたら良いですよね。
宜しければ参考にしてみてください。