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「登竜門」と言う言葉を知っていますか?
テレビや新聞などで見聞きしたり、時にはビジネスシーンで出てくることもあるかもしれません。
「竜が登る門」というかっこいい言葉(笑)ですが、「登竜門」は誤用しやすい言葉でもあります。
ぜひ正しい意味や使い方をしっかりと確認しておきましょう。
今回は、「登竜門」の意味や由来は?間違いな使い方と正しい使い方!【例文つき】についてご説明いたします!
「登竜門」の意味
「登竜門」は「立身出世や入学などの関門」という意味です。
「とうりゅうもん」と読みます。
「関門」は文字の通り「関所の門」という意味ですが、比喩的に重大な難関のことを指して使われます。
目的のために突破しなくてはいけないような難所ということですね。
「登竜門」は仕事や学問で成功するための、難しい関門のことをいう言葉です。
「登竜門」の由来
(画像参照:Wikipedia)
「登竜門」は「立身出世や入学などの関門」ですが、「登る」とか「竜」といった迫力のある字面からも、いかにも由来がありそうですよね。
「登竜門」の由来は、中国の歴史書『後漢書』に由来します。
中国の黄河に「竜門」と呼ばれる急流があり、そこをさかのぼることができた鯉は竜になるという伝説がありました。
『後漢書』には、漢の時代に、李膺という官僚がおり、若い官吏が実力者であるこの李膺に認められれば、将来の出世が約束されるということから、李膺に選ばれた人のことを先の伝説になぞらえて「竜門に登った」と形容したということが書かれています。
このことから、立身出世の関門を突破すること、またその関門のことを「登竜門」と言うようになったということです。
「登竜門」の間違いな使い方
「登竜門」は、「立身出世や入学などの関門」のことです。
そのため、「登竜門をくぐる」とか「登竜門を通る」などと言われていることがしばしばあります。
ですが、この「登竜門をくぐる」や「登竜門を通る」は間違いです。
「登竜門」は先に述べたように、もともとは黄河にある急流のことを言い、そこを登った鯉が竜に化けるとうことでしたね。
ですので、「登竜門」という門があるわけではないのです。
ですので、「くぐる」や「通る」は不適切です。
また、「登竜門」はもともとは「立身出世のための関門を通ること」を指す言葉でした。
ですから、「登竜門を登る」「登竜門を突破する」なども意味が二重になってしまいますので不適切です。
「頭痛が痛い」「馬から落馬」みたいなものですね。
そのため、本来は「○○することは登竜門だ」という使い方が正しいのですが、今では「○○は登竜門だ」「○○の登竜門」といった使い方をされることが多くなりました。
つまり、「関門を通ること」ではなく「関門」そのものを指す言葉になったのです。
今ではこちらの方が一般的になっていますので、これは誤用とは言えなくなりました。
【間違った例文】
- この試験に受かって、出世への登竜門をくぐるぞ。
- 登竜門を登った者のみがこの部屋に入れます。
- 芥川賞を受賞して、文壇への登竜門を通った。
「登竜門」の正しい使い方
「登竜門」は、本来は「立身出世などの関門を通ること」を指します。
ですので、例えば「この試験に合格するのは出世への登竜門だ」という使い方が正しいわけです。
ですが、今では「立身出世などの関門」そのものを指して使われることの方が多くなったので、前の例だと「この試験は出世への登竜門だ」という使い方になります。
今ではこちらの方が一般的ですので、こちらを覚えておくとよいでしょう。
【例文】
- この試験は出世への登竜門だ。
- 文壇の登竜門である芥川賞を受賞した。
- 一流大学に行くことがエリートへの登竜門だとは限らない。
「登竜門」の類義語
「登竜門」の類義語には次のようなものがあります。
- 試験(人の知識・能力を調べるために、問題を出して答えさせること)
- 試練(信仰・決心のかたさや実力などを厳しくためすこと。またその時の苦痛)
出世のための難関や、入学のための難関が「登竜門」ですので、この他にも状況に応じて「入試」「採用試験」「オーディション」など、いろいろな言葉が考えられます。
「登竜門」の対義語
「登竜門」の対義語は「点額」です。
「点額」は「試験に落ちること」と言う意味です。
伝説では、竜門を登ることができた鯉は竜になるのですが、一方竜門に登れず失敗した鯉は額に傷をつけて帰るとされているため、試験に落ちてしまうことを「点額」と言うのです。
まとめ
「登竜門」は立身出世や入学といった、人生の成功をつかむための難しい関門ということでしたね。
入社や入学、文学賞やオーディションなど、様々な場面で使われる言葉なので、間違った使い方をしないようぜひしっかり理解しておいてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!