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段飾りの雛人形には、多くの付き人のお人形も飾られています。
今回は、その中の2人「右大臣」と「左大臣」についてお話しようと思います。
「右大臣の赤い顔はなぜなのか」「左大臣とどちらが偉いのか」等あれこれな疑問にもお答えしていきましょう!
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雛人形の右大臣が赤い顔なのはなぜ?

赤い顔をしている理由は、実ははっきりとは解明されていないようです。
もう一方の大臣と比べて
- 「年配者であることをあらわすためではないか」
- 「本当にお酒を飲んでいることを表現しているのかもしれない」
など、噂的な話や個人の推測における理由はある様です。
右大臣と左大臣は、「随身(ずいじん)」と呼ばれる役職です。
しかしこれは通称であり正式には
- 「右近衛少将(うこんのしょうしょう)」
- 「左近衛中将(さこんのちゅうじょう)」
といいます。
主に付き人として天皇・皇后の身を守る仕事をしています。
雛人形の飾られる風景は、本来は天皇と皇后の結婚の儀をあらわしているものです。
ですから随身である右大臣と左大臣は、この結婚の儀が滞りなく行われるように警護をする役割を表現し、飾られているのです。
左大臣と右大臣はどちらが偉いの?

先に回答を申し上げると、
右大臣と左大臣では「左大臣」の方が年配で上位で偉いです。
ですが、解説しておきたいことがあります。
実は、歌詞にある赤い顔をしているのは右大臣ではなく、本当は左大臣なのです。
実は間違っている雛祭りの歌
あの有名な雛祭りの歌であり、皆さんに認識されている4番目の歌詞
「少し 白酒召されたか 赤い お顔の 右大臣」
なんとこれが間違っているのです。
ですから、赤い顔をしているのは実際は左大臣となります。
これは、雛人形を眺めている私達ではなく、天皇である男雛(お内裏様)視点から考えることが正しいという理由からです。
そして年配である左大臣の方が、当然若い右大臣より上位で偉いということになるのです。
詳しく解説していきますと、その理由は古い日本の考え方である「左上位」が関係しています。
「天子南面す」
雛人形とは、天皇と皇后の結婚の儀をあらわしたもの。
つまり、天皇の視点から右が右大臣、左が左大臣となるのです。
さらに、日本には「天子南面す」という決まりがあります。
これは、帝は北に座って南面を見るという意味です。
下記の図を見ていただければわかると思います。
この通りになると、帝から見れば左手が東、右手が西となります。
そして東は日が昇ることから、西よりも上座とされていました。
ですから年功序列的なことを考えても、北に座り南を向いた天皇(お内裏様)からみて、左手には赤ら顔の年配で上位の左大臣、西となる右手に若い左大臣を配置となるのです。
ちなみに、年配の左大臣は知恵を、若い右大臣は力を司っていると言われています。
京雛と関東雛の並び方では?

左上位が古来の日本の考え方であると言いましたが、雛人形の並び方は現代によって移り変わってきたものでありました。
もうご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、「関東雛」と「京雛」です。
関東雛と京雛はお雛様とお内裏様の並び方が違います。
関東雛は、向かって左に男雛、右に女雛です。
しかし京雛は昔からのしきたり通りになるため、向かって左には女雛、右には男雛となるのです。
このような状態になった理由は、大正時代に西洋文化の流入がともなったことが関係していると言われています。
西洋文化では、右上位とされていました。
これが関東では大きく影響し、古来の左上位スタイルから、雛人形の並びも右上位に変化したのではないかと言われています。
さらに関東雛と京雛は各人形の面持ちが違ったり、また人形の持ち物や小道具などの飾り物も違ったりはします。
ただ男雛と女雛の並びは違えど、他のお仕え役の人形は関東雛と京雛でも並び方は共通であるとも言われています。
ですから筆者個人的には、右大臣・左大臣という言葉としては、どっちがどっちであるという名前的なものでは、やや曖昧になりつつある部分があるかもしれないと考えます。
ただ年功序列的には右大臣と左大臣を比べた時には、年配者である赤ら顔の大臣の方が上の立場であるということだけは間違いないと思います。
まとめ
雛祭りの歌の「赤いお顔の右大臣」は実は左大臣であり、赤い顔の理由は「年配者を示している」「本当にお酒を飲んでいる」など噂はあれど確証たるものは見つかりませんでした。
ただ、年配で赤い顔の大臣の方が上位であることは間違いなく、白い顔の若い大臣は位は下になります。
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