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「ひとかたならぬ御愛顧を賜り……」
この「ひとかたならぬ」という言葉、年賀状や挨拶状、お礼状などの手紙やメールではよく目にすることがあるのではないでしょうか。
なにやら感謝するときの言葉だな、ということはわかると思いますが、「ひとかたならぬ」とはどういう意味かと言われると困ってしまいませんか?
「ひとかたならぬ」、ちょっと古文のような、古めかしい言葉ですね。
どういう意味なのか、詳しく確認しておきましょう。
今回は、「ひとかたならぬ」の意味と使い方!お世話になった方への伝え方と言い換え表現についてご説明いたします!
「ひとかたならぬ」の意味
「ひとかたならぬ」は「なみひととおりではないさま」という意味です。
漢字で書くなら「一方ならぬ」となりますが、ひらがなで書くことが多いです。
「ならぬ」というところからわかるように、文語表現ですね。
「ひとかた(一方)なり」は、「普通の程度である」という意味の言葉です。
今では使わない古語で、堅苦しい印象の言葉ですから普段の会話では使いませんよね。
「ぬ(否定の助動詞「ず」の変化形)」が付いていますので、「ひとかたならない」「ひとかたではない」ということになり、「普通の程度ではない」という意味になるわけです。
「ひとかたならぬ」は普通ではない、並の程度ではないという意味の言葉です。
「ひとかたならぬ」の使い方
「ひとかたならぬ」は「普通の程度ではない」という意味の言葉です。
「ひとかたならぬご愛顧を賜り」などの使い方が多いことからわかるように、「普通ではない」といっても「普通をはるかに超えた」という意味で、いい意味で使われることが多い言葉です。
「ひとかたならぬ憎悪を抱く」というような、悪い意味で「普通の程度を超えた」という使い方もできます。
ですが、ほとんどの場合年賀状やお礼状、挨拶文などで感謝の言葉などとともに使い、いい意味で「普通の程度をこえた」という意味になります。
「ひとかたならぬ○○」として、名詞を修飾して使います。
「ひとかたならぬ」の例文
- 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
- ひとかたならぬご尽力をいただき、ありがとうございます。
- 平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
年賀状にしてもお礼や挨拶の手紙(メール)にしても、「ひとかたならぬ○○をいただきありがとうございます」というのが定型といっていいでしょう。
○○には「ご愛顧」「ご高配」「ご厚情」など、相手に思いやりや引立てをいただいたという言葉を入れます。
「いただきありがとうございます」は、その時々で「賜り」や「くださいまして」、「厚く御礼申し上げます」「感謝いたします」など、色々な表現があります。
お世話になった方への伝えかた
「ひとかたならぬ」は、相手によくしたもらったことを感謝するときによく使う言葉です。
ですので、お世話になった方への手紙やメールでもよく登場します。
先に述べたような、「ひとかたならぬご厚情を賜り」などもよく使われますが、わかりやすくお世話になったお礼を述べる言い回しとしては、「ひとかたならぬお世話」ということもできます。
「ひとかたならぬお世話になりありがとうございます」などの使い方で、相手が面倒を見てくれたことに対しての感謝を伝えることができます。
特に退職の挨拶で用いられることが多いです。
【例文】
- この度はひとかたならぬお世話になり、誠にありがとうございます。
- 在職中はひとかたならぬお世話になりまして、心より感謝申し上げます。
- 入社以来、公私にわたりひとかたならぬご懇情を賜り厚く御礼申し上げます。
「ひとかたならぬ」の言い換え表現
「ひとかたならぬ」には次のような類義語があります。
- 誠に(間違いなく。本当に)
- ひとえに(ただそのことだけをするさま)
- 並々ならぬ(並大抵ではない、並外れた)
- 並一通りではない(ごく普通ではない)
- 非常に(並の程度でないさま。はなはだしいさま)
- すこぶる(普通のまたは予想した程度を越えて)
- 尋常ではない(ものの性質や状態が通常の範囲を超えているさま)
- 桁違いの(価値や規模などが、他と比較にならないこと)
お礼などの文脈で使うには、「誠に」「ひとえに」「並々ならぬ」などが言い換え表現として使えるでしょう。
「尋常ではない」とか「桁違い」となると、「異常だ」「まともじゃない」というような(笑)、やや悪い意味になりますのでビジネスの書状で使うには不適切でしょう。
まとめ
「ひとかたならぬ」は、年賀状やさまざまな挨拶状で使える便利な言葉でしたね。
古風な言葉で、堅苦しい印象はありますが、それだけに目上の方やお世話になった方に丁寧な感謝を伝えるのには適していますね。
口語で気軽に使う言葉ではないので、若い人には馴染みがない言葉かもしれませんが、社会人としてぜひ覚えておきたい言葉です。
最後までお読みくださりありがとうございました!